君の居た世界
「楽しかったけどよ‥‥
こんなパシリ、俺は嫌だぜ。」
 
 
氷夜はため息をついて言った。
 
 
「まぁ、たまには良いんじゃない?
 
じゃないと、氷夜運動不足だよ。」
 
 
あたしはにこっと笑った。
 
 
「誰が運動不足だ!」
 
 
氷夜があたしの額を、軽くつついた。
 
 
「また、そうやってすぐ怒る!」
 
 
「別に怒ってねぇよ‥‥‥」
 
 
‥‥‥?
 
氷夜が、何かを言いたそうだった。
 
 
「どうかした?」
 
 
あたしは氷夜の顔を覗き込む。
 
 
「‥‥それ‥」
 
 
氷夜がどこかを見つめて言った。
 
 
‥‥それって‥何のことだろ?
 
あたしは氷夜の目線を辿ってみる。
 
 
 
「‥‥ん?
もしかして‥これ?」
 
 
 
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