君の居た世界
‥‥何であいつが思い浮かぶのよ!
 
 
きっとあれよ‥!
最近一緒に居ることが、多かったからに決まってる。
 
 
恋愛感情とか、少しもないんだから。
 
あるのは信頼関係だけ。
 
 
 
‥そうだよ。
 
 
 
「‥いきなり黙りこんで、どうかしたか?」
 
 
その声であたしは、一気に現実に引き戻される。
 
 
 
前を見ると、すぐ近くに氷夜の顔があった。
 
 
「んぎゃぁぁ!」
 
そんな叫び声と同時に、あたしは座っていた椅子から立ち上がった。
 
 
「何だよ、いきなり!」
 
 
あたしの心臓はバクバク言っていた。
 
 
「何って‥いきなりなのはそっちよ!
びっくりするじゃない!」
 
 
 
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