君の居た世界
「流雨っていつも元気だよね。」
 
 
あたしは流雨が、開けっぱなしにして行ったドアを閉めながら言う。
 
 
「そうだな。」
 
 
「そういえば、氷夜とみんなっていつから一緒に居るの?」
 
 
前から何度か疑問に思っていたけど、聞くことのなかったことを何となく聞いてみた。
 
 
「いきなり何かと思えば‥‥。
 
そんなこと、いちいち覚えてるわけねぇだろ!」
 
 
氷夜は少し呆れながら言った。
 
 
「普通だいたいは覚えてるでしょ!」
 
あたしは思わず大声を上げる。
 
 
‥‥もしかして、氷夜はあたしと会った時のことも‥忘れてるの?
 
忘れちゃうの?
 
 
 
何でかは分からなかったけど、そんなことを思ってしまった。
 
 
 
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