君の居た世界

「‥流雨、最近氷夜の態度が変じゃない？」
　
あたしは流雨に相談してみた。
　
　
「本当に鈍いわね‥。
氷夜も照れてるのよ。」
　
　
　
‥照れてる？
　
ということは‥まさか‥‥！
　
　
いやいやいや、そんなはず無いでしょ！
　
でも‥‥
　
　
　
「あははは！」
　
　
あたしが真剣に考えていると、突然隣に居た流雨が笑いだした。
　
　
「え、何？」
　
　
あたしは笑っている理由が分からず、流雨に聞く。
　
　
「だって、魅夜の顔‥
百面相みたいだったから。」
　
　
「ひゃ‥百面相！？」
　
もうっ、流雨ってば‥。
　
　
あたしは真剣に考えてたのに！
　
　
　
「冗談よ、冗談。」
　
　
流雨は笑って言った。
　
　
　
「‥‥魅夜、伝えたいことはちゃんと言わなきゃダメよ。」
　
　
「‥あ、うん。」
　
　
　
‥びっくりした‥‥。
　
だって、流雨がいきなり真面目なこと言い出したから。