ヒマワリの笑顔
それからどれくらい経ったんだろうか・・・・

もう一生母も兄も帰ってこないんじゃないかと、そう思うくらい時間が長く感じた。


ピンポーン。

真夜中にベルがなった。

父が出る。

「お。。。おぅ。」

父がひるむのが声でわかった。

「あんたねぇ・・・あ~あ、これまた派手にやったわねぇ・・・あんたバカなんじゃないの。あと少し傷が深かったら死んでたとこよ。今日は子供たち迎えにきたから。」

まきおばさんだった。

父はまきおばさんには頭があがらない。

まきおばさんは頭脳派で頭も良く、力でなんとかする父とは正反対だった。

父の返事を待たずにまきおばさんは2階へあがり私たちを抱き上げた。

妹を抱っこし、私はゆっくり手をひかれながら1階へと降りた。

玄関へ向かう途中、リビングが開いていたので下を向きながらチラッと覗いた。

リビングがぐしゃぐしゃで、夕飯に食べたお料理が壁に飛び散っていた。

お皿は割れ、ところどころ血が落ちている。

こんな悲惨な光景みたことない。まるで殺人現場だ。。。。

いや、昔母が見ていたサスペンスはこんなに恐怖を覚えるシーンなんてなかったはずだ。

奥を見るとで父がうなだれていた。

それでも大きな父だったが、なんとなく小さく見えた。

外に出た時、まきおばさんが

「明日みんなでお出かけしようか♪学校サボってさ、だっておばちゃん明日仕事休みなの♪」

と言った。

私は顔をあげられず黙っていた。

「朝早いからさ、寝坊しないように今から迎えにきちゃった」

とまきおばさんは元気づけるように話した。

もちろん、ごまかされてるのはわかっていた。

だって、手には母と兄の靴が入った袋を持っている。

母たちは裸足で逃げたのだろう。

悲しくて涙が出そうになったが、無邪気に

「うん♪」

と相槌をうった。
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