ヒマワリの笑顔
まきおばさんちは私の家から小学校を背にして10分歩く。

マンションに一人暮らしだった。

マンションに着くと母がいた。

目が腫れていて、頭に包帯がまかれている。

膝には兄が顔を真っ赤にして寝ていた。

熱があがってきたらしい。

幸いまきおばさんは看護師だったから、母への応急処置も兄の熱も全部やってくれた。

「がんばったね」

まきおばさんが母に声をかける。

一瞬ビクッと怯えた母だが、声をかけてくれたのが実の姉で、子供たちも姉の家にいると分かると、わぁっと泣きだした。

まきおばさんの寝室で寝かされた私と妹。

隣の和室では兄が寝ている。

解熱剤が聞いているのが寝息が聞こえる。

寝息だけを聞いていれば、なんて穏やかな日常なんだろうとゆっくり眠りについたところだろう。

でも今は違う。

私の寝る布団はいつも以上に大きくふかふかしている。

目を瞑れば、母の包帯姿と兄の腕についた血、父の怒鳴る声が聞こえてくる。

鳥肌と震えが止まらない。

母はこのまま死ぬのか・・・なんで・・・

父が怒鳴りながらまきおばさんの家に来たらどうしよう。。。


朝起きて母がいなかったら・・・・


妹は泣き疲れて完全に寝ていた。

まきおばさんの家に着いてすぐ、母を見つけるとまきおばさんに抱っこされたまま泣いたのだ。
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