ヒマワリの笑顔
麻衣は一人っ子だったから、お母さんに叱られた話や家族の面白話を聞くのが私たちの役目だった。

もうすぐ学校に着くころ麻衣はいつも

「さえちゃん、学校ついたら鬼ごっこね~♪みんなを誘ってくる~」

そう言ってまた走り出し校舎の中に消えていった。

「オッケ~♪」

私はそういうと変わらず兄と歩きながら校舎に入っていった。

小学校は各学年2クラスしかなく、人数も少なかった。

だからか、皆仲が良く校庭にいけば皆が遊んでくれた。

麻衣と私はいつも一緒でクラスが違ってもお互いの教室を行き来し、休み時間になると校庭に出ては、鬼ごっこやドロケーを皆でした。

「私たちず~っと一緒ね!!」

合言葉だった。

小学校から帰る途中、いつも誰かしら近所のおばさんに会う。

「さえちゃん、麻衣ちゃん、おかえり~。うちの子もそろそろ帰ってくる時間かしらね~。気を付けてかえるんだよ~」

「うん。おばちゃんまたね!!」

そんな会話がしょっちゅうだった。

学校から帰ると、いつも母が庭から

「おかえりなさい」
と言ってくれた。

母は小柄でいつも温かい笑顔で私たち兄妹を包んでくれていた。

お気に入りの庭でお花を育てたり、ハーブを育てていた。

その花をモデルにし油絵で描いていた事もあった。

学校から帰宅すると、麻衣と宿題を始める。
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