キミノトナリ
「あ、昨日はどーも。」
海人くんは満面の笑みで悠ちゃんを見た。
「あぁ。」
悠ちゃんはあからさまに不機嫌そう。
「海人くんわざわざ来てくれたの?」
「だって環ちゃんに会いたかったもん。」
キューーーン
演技だとしても、私も女の子だしキュンとする。
「じゃあ俺はこれで。」
そう言って悠ちゃんはその場から立ち去ろうとした。
「なんでですか?先輩。先輩も乗ってくださいよ。環ちゃんと家近いんですよね?」
「いや、俺はいい。環だけ送ってやってくれ。」