キミノトナリ





案の定、教室に着いても誰もいなかった。



「暇だぁぁ〜」



前の私だったらこんな時、迷わず悠ちゃんに電話してただろうな。



ガラッ



悠ちゃん!?



「...おはよう。」



入ってきたのは名前も知らない男の子。



見たことはある気がするけど。




私の大学って高校みたいにクラス分けがないから同じ授業を受けてる子の名前とか全然わかんない。



「おはよー」



「...今日は桂木さん早いね。」



あ、私の名前知ってるのか。



「家を早く出ちゃって。」



「そーなんだ。」



「「............」」



き、気まづい。



あなたはいつも早いの?と聞きたいけど名前が分からないから聞けないよー。



"あなたは"なんておかしいもん。




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