溺れ愛
頭角現るクラスメイト
「ちぃ、そんなカワイイ私服で行くの?」
「え?いつも通りだよ?」
「ミニスカートで遠足いくつもり?せめてスカートやめない?」
今日は遠足の日です!
高校の遠足は私服だからいつも通りの私服にしたんだけど・・・。
迎えにきてくれた良平くんは納得いかないみたい。
良平くんといるときは普通にしてる恰好なんだけどなぁ。
「着替えなおし。んと、これとーこれに着替えて?」
フリルのミニスカートが短パンに変わって、オフショルダーのトップスの上に良平くんの黒いパーカーを着せられてしまった。
良平くんのワンピースみたいにみえるよ
「これじゃ良平くんが寒くなっちゃうよ」
「俺は平気だから。マーキングも出来て一石二鳥だし」
「マーキング?」
「なんでもないよ。そろそろ出ようか」
今日の良平くんどうしたんだろう。
「水原とは駅で合流するんだっけ?」
「そうだよ~弥生ちゃんは駅から!」
今日は動物園に現地集合だからクラスのみんなとはそこで合流。
クラスで園内を回ってから自由行動でお昼ご飯。
その後にまたみんなで集合して解散なんだって。
「動物園って久しぶりで楽しみだね」
「そうだね。はじめてちぃと行ったときライオンみて泣いてたよね」
「あれは急にライオンさんがグオオォッって!檻にとびかかってきたから・・・って、あれ?」
駅に向かう途中の道で見覚えのある背中を発見したです。
「相馬くん!!」
ちょっと大きな声で呼びかければ、ゆっくりと振り返ってくれた。
「高木・・・さんと、竹下くん」
あ、ちょっと素が出てた?
「相馬くんも一緒に駅までいこう!」
「ええ」
良平くんがいるから素の感じじゃないんだ。
やっぱりちょっと壁を感じるなぁ。