溺れ愛
「うぉおおお!!すっげぇ!!みろよ、良平!!」
無事に動物園について、班ごとに園内を回ってます。
ゴリラのウッホくんを見つめて結城くんが大はしゃぎ。
「そうだね、逞しいね」
良平くんはそんな結城くんを宥めるようにしてた。
うわぁ~!でも私も久しぶりの動物園にテンションあがるです!!
「千愛もゴリラ好きなの?」
「うん!筋肉むっきむきでカッコイイから~!」
「そうね、野性的な感じがたまらないわよね」
弥生ちゃんもなんだかんだで楽しそうだなぁ。
「次こっちいこうぜ~!」
結城くんが良平くんを引っ張って先を歩いてて、私と弥生ちゃんと相馬くんはちょっと後ろを歩いてる。
「相馬くんは何か見たいところないの?」
「ガキじゃねーんだから、そんなに興味ねぇよ」
おやおや~
「いきなり素が出てるね、相馬くん」
「高木と水原にしか聞こえてねぇだろ。どうせ」
ふふふ!
こっちの相馬くんの方がやっぱり話しやすいなぁ。
「こーんなオラオラのくせしておいしそうなケーキ作ったりすんだから人って分からないわよねぇ」
「・・・うるせぇぞ。てかまたあいつ女に囲まれてるけど?」
相馬くんの言葉に前を見れば良平くんと結城くんがギャルちゃんたちのいる班に囲まれてる。
他クラスの女の子までいる・・・。
この光景に、いつか慣れなくちゃいけないんだもん。
「そうだね・・・。私、飲み物かってくるよ~!ちょっと待っててね」
「は!?おいっ!」
いつか、慣れないといけないけど・・・ちょっとずつ慣れるから。
だからたまに目を反らしてしまうことは許してください。