溺れ愛
ガラガラ
一番上の小窓が開いた音がして
「ちぃ!!」
大好きな大好きな良平くんの声がした。
「りょ、へ・・・くん」
「やっと見つけた!ちぃ」
小窓を見上げれば・・・そこには笑顔でこっちを見る良平くんがいた。
誰も、見つけてくれなかったのに。
来てくれた。
良平くんがきてくれたです!!
「すぐにそっちに行くから待っててね」
「危ないです!良平くん」
小窓をくぐって良平くんが倉庫の中へと入って来る。
大人でも手が届かない位置にある小窓なのに・・。
「よっ!っと・・・。こわかったね、ちぃ」
良平くんは上手にマットの上へと着地して、私のところへ来てくれた。
「もう大丈夫だよ」
ニコっと笑って頭を撫でてくれる良平くんにとても安心した。
「良平くん、ありがとう~。うぅぅっ~」
ぎゅっと良平くんに抱き着けば、良平くんもぎゅっと抱きしめてくれる。
もう夜になってしまって倉庫の中は真っ暗。
やっぱりちょっと不安だけど、大丈夫。
「俺がずっと一緒にいるからね、大丈夫だよ。明日になれば倉庫も開くよ」
良平くんが頭を撫でてくれるから、大丈夫です。
「よしよし。ちぃ、大丈夫だよ」
何回も何回もそう言いながら、私が泣きつかれて眠るまで良平くんはそうしてくれたの。
良平くんのてのひらはとっても暖かくてだいすきです。
良平くんが・・・だいすき。
******