溺れ愛


「これは・・・手紙?」



家に着くとポストに入っていたピンク色の封筒。


高木千愛様って書いてるから私にだよね?


とりあえず後で見よう~!



「ただいまー」

「あ、ちーちゃんお帰り!」



リビングに行くとママとヨウくんがお茶を飲んでたです。


ママがこの時間にお茶を飲んでるのは珍しいなぁ。


いつもならこの時間は夕飯の支度をしてるのに。



「あれ?シチューの良い香りがするです!!」



ママがここにいるのにキッチンから良い香り・・・?



「ふふ!今日の夕飯はママじゃない人が作ってくれたのよ」

「ママじゃない人?」



ナゾナゾ・・・。


ヨウくんもここにいるし、パパはまだ帰ってきてないみたいだし。



「お帰り、ちぃ」

「良平くん!!」



キッチンから現れた良平くん。


もしかして・・・



「良平くんが夕飯を作ってくれたです!?」

「正解。ちぃの好きなビーフシチューだよ」



久しぶりにみた、良平くんの笑顔。



「良平く・・・」



思わず抱き着きたくなったけど、ママとヨウくんがいるんだった。



「恥ずかしがり屋さんだね、ちぃは」



そんな私を察してくれたのか良平くんがゆっくり近づいて頭をポンポンしてくれた。



「お腹はすいた?」

「ぺこぺこ!」

「良かった。じゃあご飯にしようか」



良平くんの手料理、とっても嬉しいです!



「良くん、俺も手伝う!」

「ヨウ、ありがとう。ちぃは着替えておいで?」



弟のヨウくんは良平くんのことをかなり慕っていて、良平くんがお家に来ると嬉しそう。


良平くんもヨウくんに良くしてくれて本当のお兄ちゃんみたいです。

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