あおいせかい




僕は僕だ。
その事に気付いたのは、本当にだいぶ前だったと思う。遥か昔のこと。
あおいせかいでは珍しいんだと思う。
今日も皆の為に死ぬ。
このあおいせかいを守る為に死ぬんだ。
そう考えてみると、まだマシだ。
僕がこんなことを考えているだなんて、誰一人考えもしないだろうな。

僕は今から7秒後、灰色のコンクリートの上に寝転がる。その後空を見上げる。そして、

今日も僕は死ぬ。でも、
今日もまた、
とても綺麗なあおいせかいだった。







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「翔!そろそろ出てくるぞ!!手下!」
「分かってるし!もうこのゲームでここ、何回越したと思ってんの。全然この後越せないからずっとここばっかだし。」
「いい加減飽きたよなー。」
「第4ステージ、難しすぎだろ!だから何回も一つ前、越さなきゃなんねーんだよなぁー。」
「俺ら、一ヶ月近くここやってるよな。もーそろそろかな、、おっ、出てきた!それにしてもこいつ、倒したら金貨100枚プラスとか唯のいー奴じゃん。」
「そうだよなー。しかも呆気なく死ぬし。そーいうキャラ設定だっけ?」
「わかんないけど、、そーなんじゃない?そんなことより、はよ!次の奴が強いんだからさ!やったろーぜ!」
「おう!第4ステージ突入っ!」





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ほら。やっぱり、
あおいせかいは綺麗なんだ。
薄れゆく意識の中で、
僕は空に向かって手を伸ばした。

僕は今日も、世界を守れたのかな。



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