思春期シュガースター
鈍感ガールと瓜二つ
教室の暖房を切り、閉め切っていたカーテンを開けた。
自分の席でぐったりと疲れ切って、脱力している金原さんの代わりに教室を出る準備をする。
金原さん自身が火曜日と木曜日は部活だということもあるけど、この時期の学校は5時完全下校だから、どうしたって練習時間は短くなってしまう。
配役が決まっていない今は週に2回しか部活はないから、マシと言えばマシなんだけどね。
各自で自主練習でもしとけってことなのかな。
練習を始めてから2週間。
金原さんは少しずつ恋愛の絡むシーンもできるようになってきた。
その分終わったあと、しばらくの間は屍(しかばね)のようだけど。
「いつも片づけひとりでさせてごめんねー」
気力が少しは復活したのか、申し訳なさそうにしながらそう言う彼女に近づいて、首を振りながら笑う。
「そんなに大変なことじゃないから平気だよ。もう終わったし」
「ううう。ありがとー。
じゃ、帰ろっか」