思春期シュガースター
☆
「買えてよかったね」
にこにこと嬉しそうな彼女につられ、僕の頬も緩む。
スキップでもしてしまいそうな様子が……その、うん。
可愛い。
「付き合ってくれてありがとね!」
〝付き合う〟
その言葉が、男女交際とか、そういうものを意識していないことなんてわかっている。
なのに、それでも反射的に反応してしまうんだ。
君の言葉ひとつでどきどきしてしまうんだ。
「あたし、金平糖好きだな!
今までそんなに気に留めてなかったけど!」
それはまた不思議なことを。
気に留めてなかったなんて、そこまで正直に言わなくていいのに。
「なんで好きになったの?」
素朴な疑問を口にすれば、躊躇なく告げられた。
「だって悠が『星みたい』って言ったから!」
頬が熱すぎて、嬉しすぎて、恥ずかしくて。
様々な要素や感情がオーバーヒート。
どうしようもなくなって、涙が滲みそうになる。
初めて呼ばれた僕の名前。
君に呼ばれた、その名前。
色づいて、きらめいて、素敵なものになっていく。