思春期シュガースター
「ふ、ふは、ははっ」
千菜さんが僕の上で顔をくしゃくしゃにしながら屈託なく笑う。
「あたしが姉さん先輩のことを好きだと思ってたの?
それでヤキモチ焼いてたんだ?」
「……うん」
「悠ってさ、思ったよりばかだよね!」
悪意ない言葉に、さらに落ちこむ。
自分でもそう思うよ。
ああもう、恥ずかしいな。
手で顔を覆おうとすると、千菜さんに腕を掴まれて止められる。
いたずらっぽく、だけど恋する女の子の顔をした君が、僕の耳元に唇を寄せた。
「あたしが好きなのは悠だよ!」
砂糖より甘く、星よりきらめく君の笑顔が零れ落ちた。
僕は、流れ星を捕まえた。
fin.