思春期シュガースター
誰も知らない僕の想いが砕け散る日が近いこと。
それをこんな形で知ることになるなんて、思ってもみなかった。
恋を教える、なんて彼女に自身の抱く感情を教えるようなもの。
本当なら、そんなことは真っ平御免だ。
なのに、
「……いいよ。手伝うよ」
悩みつつもそう応えた僕は、馬鹿だろうか。
「ほんとーっ⁈」
演劇のことなんて知らないし、なにをしたらいいのかもわからない。
僕にできることなんてなくて、邪魔になるだけかもしれない。
それでも、僕なんかが君の役に立つことができるかもしれないのなら、これ以上のことはないと思うんだ。
……きっと僕、嬉しいんだ。
彼女が僕を頼ってくれたことが、ふと僕を思い出してくれたことが、こんなにも嬉しい。
だから、
「頑張ろう、ね」
「うんっ!」
僕は自分の気持ちなんて押し殺して、きっと君に主役の座を贈るよ。