LJS〜ラブジャンキーシンドローム〜
ふいにキュっと、温もりに包まれた右手が…
悲しみの震えを止める。
気が付けば、涙で溢れ返ってて…
目の前には、一生の姿が滲んでた。
「ごめん…!
俺、傷付けるつもりじゃなくてっ…
ただ、莉愛の所為じゃないって、
原因は莉愛じゃないって、伝えたくて…!」
「…っっ、いーのっ…
一生は悪くないっ!
私が聞いたんだもん…
一生は正直に答えてくれただけ…っ」
そう伝えて、必死に涙も治めようとすると…
新しい温もりが、ゆっくりと私の頭を撫でる。
「…っ、俺の前じゃ…
我慢しなくていーよ…」
今度は温かい言葉に…
涙のダムは脆くも欠壊して…
代わりに一生が、悲しみを受け止めるダムになってくれた。
「だけどさ、そんな隼兄でも…
莉愛に対しては、少し違って見えたんだ。
きっと今の隼兄なりに、ちゃんと好きだったと思うよ…?」
そんな、さらなる温かい言葉と…
右手を包む温もり、
そして撫で続けてくれる温もりが…
私を慰めてく。