LJS〜ラブジャンキーシンドローム〜
それにしても寒いっ!


奏曲のおかげで、軽くあったかくはして来たものの…

10月の夜をナメてた。



「…そんなんじゃ寒ィだろ」

若干震える私に気付いて、上着を脱ぎ始める奏曲。


「いい、いいっ!
お酒飲むから大丈夫!」

アドバイスを受けた手前申し訳なくて、
パーの手で拒否を示す。

と、その途端。


ふわっと、あったかさに包まれる。



「い、一生っ!
だからっ、大丈夫だって…!」

肩にかけられた上着の主を映して、すぐに返還にあたるも…


「俺も大丈夫。
酒飲んでるし、
念のため厚着して来たし」

と私の手を塞いで、再び上着を掛け整える。


それに戸惑うと…

さらに追い討ち。


「つぅか寒いだろ?
俺の前じゃ我慢しなくていいって、言ったよな?」

あやすように笑う一生に…


胸を揺すられて、
俯きながらお礼を零した。




「ちょっ、2人ともズルくないすか!?
今頃リアさん争奪戦っすか!?」

そこでカツくんが突っかかる。

対して…


「誰がだよ」

冷めたツッコミを入れる奏曲と、


「勝負する?」

不敵に笑って、乗っかる一生。


< 168 / 348 >

この作品をシェア

pagetop