LJS〜ラブジャンキーシンドローム〜
「…オマエ帰れ。もーやってやんね」
そのコに、氷点下の視線が向けられる。
「そんな〜っ!
ステッカー、俺のオンナも協力したじゃないすかァ!」
「うっせ!空気読めバカ!」
そんな2人のやり取りに…
今度は私が割り込んで、仲裁を下した。
「キミ!
正直に話してくれてありがとうっ。
奏曲!プラグ見てあげて。
私はゆ〜っくり待っとくから」
後半は、不満を露わに裁決を言い渡すと…
顔を覆って溜息を零す奏曲。
実際、助かったとはいえ…
複雑な心境で、休憩所から奏曲を眺めた。
だって自分の売上にすれば、そのバック
や評価に繋がるだろうし…
だから余計、助けてもらう筋合いとかないワケで。
しかも私は、それを知らずにノンキに奏曲に自慢して…
なんだか逆に、情けなくてツラいんですけど。
思惑の当事者は…
惚れ惚れするほど、手際よく軽やかにバイクを整備してて…
てゆっか。
なんかズルいなぁ…
そのビジュアルで、
職人的な仕事もカッコよくこなせてて…
しかもいいヤツだし。
あぁ、なんか…胸が気持ち悪い。