LJS〜ラブジャンキーシンドローム〜
車を工場奥のガレージに駐車してる間。

鍵を渡された私は、部屋で待つように言われて…
久しぶりな奏曲の部屋に足を踏み入れる。


ずっと休憩所にしか通してくれなかったから、すごく嬉しい!

女の形跡がないのも、すごく嬉しい!



ふと、目にした棚には…

私があげたメッセージコーラの空ボトルが、大事そうに飾られてて。


どーしようっ、嬉しい!



はしゃぐ気持ちを抑える為に、テレビをつけると…

流れる深夜映画が面白くて、つい見入る。



「あ、おかえりっ」

戻って来た奏曲に笑顔で投げかけて、
再びテレビへと集中を戻した。


途端。



座ってた状態を後ろから抱き包まれたと、ほぼ同時。
クッと顎を横に持ち上げられて…


不意打ちのキス。



う、わ…!
心臓が破壊される…




愛でるような唇と舌は、いつもより激しくて…


「……ん…っ、」って、お互いから漏れる艶っぽい吐息は、余計欲求を煽って…



悶える心はもう、キスだけじゃ収まらない!




奏曲がもっと…



欲しくなる。








だけど。


どんなに長く、甘いキスを繰り返しても…

その先はなかった。


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