許せない、だから奪ってあげる
「お母さん、おはよう」

優に手を引かれて階段を降りるとすごくいい匂いがした。

きっとキッチンにいるであろうお母さんに声をかけてリビングに入る。

「あら!梓おはよう!優、お兄ちゃんを起こしてくれてありがとうね♪」

キッチンから料理を運んできたお母さんは、とても優しく僕の頭を撫でて、それから優の頭を撫でた。

「えへへ!僕えらい!」

「そうだね、優えらい」

褒められてすっかり上機嫌になったのか、ソファーの上でひたすらゴロゴロしている。

「ふふ、優ご飯たべるわよ」
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