許せない、だから奪ってあげる
3人でいつも通りの朝食をとる。

とくに会話があるわけでもない、たげど、僕達にとってそれは普通で、幸せで、嬉しいことだった。

「あ、そうだ!梓は日本にあるあの高校に戻るのよね?お母さん心配だわ!こんな可愛い息子がまた傷ついたりしたら……」

優の口に付いたご飯粒を布で拭き終わると、バッ!とこっちをみた。

怖いよ母さん、、

「もー、大丈夫だよお母さん、そんなに心配しないで」

でも、心配してくれてありがとう。

大好きなお母さん、僕はもう昔の僕じゃないから、だから失敗なんかしないよ。

「そう?ならいんだけど、念のため小刀は持ち歩くこと!ほんとなら貴方に拳銃を渡してあげたいのよ?」

それは大袈裟だ。

日本の法律を忘れたのかな?

毎日似たような会話してるけど、毎度呆れる。

「も、お母さんっー…」

朝からため息が止まらないじゃないか。

あれ?そういえば、さっきから珍しく優が静かだな。

そう思って優をチラ見したはずが、なぜかガン見されていて目がそらせなくなった。

「優?どうかしたの?」

その言葉まってましたといわんだかりに優の顔が輝く、あぁ、眩しい。

「えへへ!あのね!優も梓と同じ学校いくのー!」

「え!?」
何を言い出すかと思えば!一緒に通うってっ!

驚きの余り声がでなくて、お母さんを見つめたままになってしまった。

「ふふ、驚いたー?あなた達が2人ならお母さん安心出来る、これから2.3年は会えないんだもの、せめて2人が寂しくないように、せめて2人が悲しい思いをしないように。1人より、2人の方が強くなれるでしょ?ね?」

言い方は優しくても、顔に殺気が混じってる!何が何でも行かせる気だ。

でもよく考えれば、行動の幅が広がるかもしれないし…なにより、1人じゃなくなる。

けど、いくら権力で通わせられるとしても優はまだ14…

「優、僕はお母さんの言うことも一理あるとおもうんだけど、優は14だからまだ早いとも思う。どう?ついて行く行かないは優が決めてね」

「いくいく!いくー!僕が梓守るの!」

そう言うとおもった。

ほんとに優は優しい、これから僕にたくさん利用されると気づいてるのに……そこが似てるから、大好きになった。

また、執着してしまいそうだ。

「やった!きまりね!じゃあ2人とも準備しなさーい、荷物は先に寮へ送ってたわよね」

そ、これから帰るところは学校と言うより学園、全寮制の烏嶽学園だ。

心の底から愛して、そしてそれと同じくらい僕が憎んだところだよ
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