honey
『なんなのあの男!?やっぱ噂通りだね』
駅前のカフェで、彩名はコーラを一気に飲み干して、その勢いのまま話し出す
人の噂は大抵あてにならないけど、彼の場合は当てはまってるっぽい
あんな軽く告白ができるなんて……
『でも明日から春休みで良かったよね!あんな男のことなんて、すぐ忘れられるよ』
『そうだね』
春休みに学校に行くようなんてないし、きっと偶然会うこともないに決まってる
それに、向こうだってわざわざ覚えていないだろう
何人の女の子に声をかけてるのかも分かんないし
『春休みもパーッと遊ぼうね』
すっかり彼のことは忘れたかのように、綾菜は周りの人をドキッとさせるほどまぶしい顔で笑った