honey


『なんなのあの男!?やっぱ噂通りだね』


駅前のカフェで、彩名はコーラを一気に飲み干して、その勢いのまま話し出す


人の噂は大抵あてにならないけど、彼の場合は当てはまってるっぽい


あんな軽く告白ができるなんて……


『でも明日から春休みで良かったよね!あんな男のことなんて、すぐ忘れられるよ』


『そうだね』


春休みに学校に行くようなんてないし、きっと偶然会うこともないに決まってる


それに、向こうだってわざわざ覚えていないだろう

何人の女の子に声をかけてるのかも分かんないし



『春休みもパーッと遊ぼうね』


すっかり彼のことは忘れたかのように、綾菜は周りの人をドキッとさせるほどまぶしい顔で笑った




< 9 / 20 >

この作品をシェア

pagetop