先生、私じゃダメですか?
「じゃあ教えてよ」
「え? 」
私は立ち上がり、
渋谷の目の前に立った。
「数学分からないので、渋谷先生。放課後、私に数学を教えてください」
渋谷と一緒にいられるチャンス。
実際のところ、
数学が本当にやばいのも事実。
まあ、一石二鳥ってこと。
「分かった、いいよ。じゃあ、放課後職員室に来て」
「ありがとうございます、渋谷先生」
渋谷は頭をかきながら、
少し呆れた顔をして校舎に戻っていった。