先生、私じゃダメですか?
職員室から少し離れた部屋。
そこは、
自習したりするのに最適な場所。
「今日は誰もいないのか」
この教室は机と椅子の数は少ないけど、
多くの生徒が集まって
席の争奪戦になったりする。
「じゃあ、ここに座ろっか」
「はい」
私は椅子を引いて座り、
教科書やノートなどを机に並べた。
「で、何が分からないの? 」
「全部です」
渋谷の顔は引きつっていた。
「本気で言ってる? 」
「私、嘘はつかないので」
渋谷は大きなため息をついた。