先生、私じゃダメですか?
林間学校が明後日に迫った今日。
佐伯さんと私は、
いつも通り係りの仕事をしている。
ーー数分後
ようやくひと段落ついて、
私は自販機で買った飲み物を飲んだ。
「そういえば、愛ちゃん」
いつの間にか、
佐伯さんは私のことを
”愛ちゃん”と呼ぶようになっていた。
まあ、悪気はしないけど。
少し嬉しかったりもする。
「2年3組の、柊 柚月(ひいらぎ ゆずき)って知ってる? 」
柊……柚月?
聞いたことない。
「知らない」
「えー! ほら、2年の時に転入してきた男の子だよ。凄くカッコ良くて、頭もいいんだ」
佐伯さんは顔を赤らめながら話す。
もしかして……
「好きなの? そいつのこと」
「な、何言ってるの愛ちゃん」
そっぽを向く佐伯さん。