先生、私じゃダメですか?
鐘が鳴り、
生徒に明日のことを伝え
今日の学校は終わりとなった。
ふいに、
吉野のことが気になり辺りを見渡した。
けど吉野はいなかった。
「帰ったのかな…… 」
俺は生徒が全員、
教室から出たことを確認し、ドアを閉めた。
「渋谷先生、日直お願いしてもいいですか? 担当の先生が、今日お休みなので……。教室の鍵閉めだけでいいので」
ドアを閉め数歩歩いたとき
眼鏡をかけた女性から話しかけられた。
「いいですよ」
「ありがとうございます。じゃあこれ、お願いしますね」
渡された鍵。
結構あるな……。