先生、私じゃダメですか?
「あっ、すみません! 」
スタスタと歩いていると、
佐伯さんの声が聞こえた。
何かな?
不思議に思って振り返ると、
そこにいたのはアイツだった。
「柊君、怪我なかった? 」
柊とぶつかったりでもしたのかな?
そういえば、佐伯さん。
柊のことが気になっているって言ってたよね?
なら、
ここは二人っきりにしてあげるべきだよね。
ぼんやりと二人を見ていたとき、
柊と目が合ってしまった。
それと同時に頭の中で、
昨日のあの言葉が流れる。
私はその言葉をかき消すかのように、
視線をそらし歩き始めた。