先生、私じゃダメですか?
〈渋谷 side〉


一人残された教室で俺はたたずんでいた。


そんな時、
ふいに教室のドアが開いた。


「お前、何してんだよ」


黒髪で身長も高く、
綺麗な顔立ちをした男子。

彼は俺に近づき俺の胸ぐらを掴んだ。


「答えろよ」
「離せ。お前は何だ? 」
「柊 柚月」


柊はそう言って、
手を離し俺を眉を寄せながら真っ直ぐ見つめた。


「吉野に何してんだよ! お前は吉野の何を知っていて、どんな関係なんだよ」
「生徒と先生だよ。それ以外、ないだろ? 」


柊 柚月。どこかで見た覚えがある。


「俺は…… 」


柊は顔を険しくさせながら言う。


「お前なんかには負けないから」
「何だそれ。意味わからないよ」


柊は俺に背を向けて走り去って行った。


何なんだあいつは。


……あっ、もしかして
あの時吉野と屋上にいた奴か?


そう思った瞬間、
頭の中に吉野さんと柊がいた光景が流れた。

胸が痛む。熱くなる。

それと同時にイラついてくる。


「本当に意味がわからない」


俺はそう呟いた。



< 84 / 84 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

バレない嘘をついてよ。

総文字数/52,687

恋愛(キケン・ダーク)222ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop