輝く太陽のようなきみと、永遠を。【旧ただキミ 修正中】
俺という人間
【蒼汰 side】
俺は、生まれた時から孤独だった。
親は、共働きで夜遅くまで仕事をしている。
だから、親の顔を見て話すことなんて、両手で数えられるほどだった。
今でも親は、夜遅くまで…いいや、ほぼ朝まで働いている。
それは、俺の為ではなく……俺の弟のために、だ。
俺には年の離れた弟がいる。
名前は、陸。
歳はまだ13歳。
今年中学生になったばかりだ。
そんな陸はかなりのサッカー好き。
そのため、学校ではサッカー部に所属し、汗を流しながら頑張っているらしい。
またかなりサッカーの才能があるらしく、将来を有望視されているらしい。
……俺と違って。
実を言うと、俺と陸は血の繋がりはない。
俺の家はまあ何かと複雑で。
俺の本当の両親は俺がガキの頃に離婚している。
そして、その時俺は母親に引き取られた。
理由としては簡単だ。
"養育費"欲しさに俺の親権を手に入れた母親。
そもそも、親権は余程のことがないと父親は取れないらしい。
例えば、母親が虐待や育児放棄してたり、精神が病んでて、世話できない時や父親に育児を任せっきりにしているときぐらいらしい。
あとは、子供本人が父親と暮らすことを望んでいる時のみ。
俺はガキの頃から両親に遊んでもらった記憶もない為、どちらについて行っても変わりないと思っていた。
だから、母親を選んだ。
まあ、あの頃は母親と暮らした方がまだマシな生活が送れるだろうと思っていたのもあるだろう。
けど、離婚してからも母親は俺に構うことはなかった。
一日中仕事して、休みの日は色んな男を連れ込み、俺を追い出す。
そんな日々を繰り返していた。
もちろん、服とかを買ってもらったことも一切ない。
いつも薄汚れた服を着て、追い出された時は徘徊していた。
それを見てか、近所の人達は母親を怪しみ、育児放棄してるのではないか?と噂していたらしい。
まあ、実際育児放棄しているのだから本当の話だけど。
そんな折、母親が急に引越しをすると言い出した。
理由としてはまあ今となっちゃ分かるけどきっと、近所の人たちの噂話が母親の耳にも届いたのだろう。
まあ、無理もないよな。子供には汚い服着せてるのに自分は高級ブランドの服を身にまとっているのだから。
それに、こんなことで通報されては俺の親権が父親に引き渡される可能性だってあるのだから。