輝く太陽のようなきみと、永遠を。【旧ただキミ 修正中】


そしてきっと、あの母親自身も近所の人達から後ろ指を指されていたのだろう。


母親はその日に詰めるだけ荷物を詰めて、真っ暗闇の中俺を連れてこの街を去ったのだった。


ーー新しい街へ来ても俺への扱いは変わらなかった。


しかし、洋服などは与えてくれるようになった。


きっとまた、近所で"育児放棄"と噂されないためにだろう。


この地では上手く行くようにと母親なりに考えたのだろう。


そのおかげで俺は寒い冬の夜に追い出されることは無くなった。


しかし、今度は母親が家に帰ってこない日々が続いたのだ。


そう。 母親は家に男を連れ込むのは辞めて、ホテルへと場所を移したのだ。


そうすれば、

俺が夜徘徊することは無いし、育児放棄を疑われることは無いからだろう。


それに、夜遅くに母親が帰ることで、

母子家庭で大変な母親という人を演じることが出来たからだろう。



それに、時に俺を連れて歩いたりして近所の方には普通の母子家庭という姿を見せていた。


そう。それは、つかの間の休みに子供にたっぷりの愛情を注ぐ母親に見えるからだ。




まあ言っちゃえば一挙両得したかったのだろう。

俺のことを大切にすることによって、

近所からの好感度と自分の名誉を得ようとしたのだろう。



この頃に、母親は陸を身ごもっていた。


そして、陸を妊娠したことを気に、陸の父親……今の親父と結婚を決めたのだ。


近所の人らは、女手1つで俺を育ててた母親が結婚すると聞いて、凄く喜んでいたらしい。


そして、結婚祝いにいい感じの金額を包んでくれたと言っていた。


まあ、きっとここまで母親の計算通りだったのだろう。


今考えると本当に母親の行動は心底気持ち悪いし、

こんなのと血が繋がっていると言うだけで嫌悪感を抱いてしまう。


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