輝く太陽のようなきみと、永遠を。【旧ただキミ 修正中】


「なあ、山吹。
ここはどう解けばいい?」



「…ここは、これを代入すると答えが出るよ」


「あ!本当だ。

なるほどな」


瞬くんに教えていると、真綾が駆け寄ってきて、



「……ごめん、汐音…あたしにも教えてくれない??」

遠慮がちに聞いてきた真綾。

「もちろんだよ」


「ありがとう…!

ここなんだけど……」


「ここは……」

ーーー……授業終了後。

「山吹。さっきはサンキューな。

山吹のおかげで助かったよ」

授業終わり、瞬くんがお礼を言ってきた。

「ううん。全然!」



「これ、教えてもらったお礼にあげる」

瞬くんはそう言って私の机にコロンと飴玉を3つ置いてくれた。


「え!そんないいよ!気にしないで?」


「いーや。

お礼だからさ。受け取ってよ。ね?」

うう……律儀だなあなんて思いながら、


「わ、わかった…ありがとう…瞬くん」

私がお礼を言うと、彼はニコリと笑いながら


「どういたしまして」

と言ってくれた。





そして、あっという間に時間が過ぎ気づけばもう放課後。


HRを終え、担任が教室を去った後皆各々帰り支度を始めていた。

「じゃあ、山吹また明日な」


「うん、瞬くんまた明日ね」


瞬くんはリュックを背負いながら教室を足早に出ていった。


そしてその後すぐ真綾が駆け寄ってきた。

「汐音、このあと長谷川と話するんだよね?」

不安そうに見つめてくる真綾に


「そうだよ。
……けど、大丈夫。

もう蒼汰くんに何言われても私は傷つかないよ」


だってもう、蒼汰くんの浮気は治らないから。

毎回蒼汰くんが浮気する度に傷ついていたら私はもう死んでしまう。

だからもう、傷つくことは辞めた。
ううん、もう身体が慣れてしまって、


傷つくことは無くなった。


「……汐音……」

真綾は何か言いたげな顔をしていたけど、私の顔を見て言うことは辞めたみたい。


そして、真綾と教室を出て、廊下で陽菜を待っていると、


「汐音」


低い声が、私の名前を呼んだ。

顔を見なくても分かる。誰の声なのか。

好きで好きでたまらない人の声のはずなのに、今は1番名前を呼んで欲しくない声でもあるんだ。


「……蒼汰くん」

そう。声の主は、彼氏である蒼汰くん。


「……話、だっけ…

いいよ。聞くよ」


廊下の壁に寄りかかっていた身体を起こして、蒼汰くんに向き合った。

「……じゃあ、真綾。

ちょっと話してくるね。

陽菜が来たら、下駄箱で待ってて」



真綾にそう言って、

「……空き教室でいい?話聞くの」

蒼汰くんにそう問いかけて、こくりと頷いた彼を見てから私は、空き教室へ向かって歩き出した。





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