輝く太陽のようなきみと、永遠を。【旧ただキミ 修正中】
山吹汐音という人
[蒼汰side]
「きゃははは」
俺の周りを取り囲んでいるのは、
スカートはパンツが見えるんじゃないかというくらい短く折っていて、
ブラウスも第二ボタンまで開けて、リボンもチェーンを付けて長くしていて、
派手目なメイクをしている…いわゆる、ケバいギャルたち。
正直、1番めんどくさいようなタイプ。
こーいうやつらはちょっとの事で機嫌を損ねて怒るか泣くかする。
そんな女たちからモテているのが、俺。
別に好意を持ってもらうのは嬉しい事だが、正直あまりこいつらに好きと言われても嬉しいとは思わない。
…嫌悪感しか抱かない。
理由としては1つしかない。
大嫌いで仕方ないあいつのせいだ。
けど、俺はこいつらの好意を利用している。
そう。俺、長谷川蒼汰には同い年の彼女がいる。
名前は、山吹汐音。
サラサラのロングヘアでパッチリ二重のいわゆる、美人。まあ、俺は可愛いと思っている。
本人には口が裂けても言えねぇけど。
そんな汐音は、去年から美人と学年で噂されていた。
ほぼ学年中の男が虜になるようなくらい美人。
みんなみんな彼女の隣を狙っていた。
もちろん、俺もその1人だ。
ーー入学したて頃、汐音の存在を知った時、
俺は一目見て惚れた。
…そう、一目惚れだ。
けれど、クラスの違う汐音と俺は関わる接点が一切なかった。
俺が、はじめて汐音と話した時ー…接点を持ち始めたのはそう。
忘れもしない、あの体育祭の頃の話だ。
俺は、自慢ではないが小、中とスポーツ万能と言われてきた。
春に行われるスポーツテストでさえ、毎年いい成績を残している。
だからこそ、高校の体育祭も俺の力全部振り絞ってクラスを優勝に導こうと努力をしていた。
ーーけれど、
『…やっべ、ちょっと痛むな…』
その日、俺は体育祭の種目のバスケを午前中は行っていた。
その時、ちょっとばかり足を捻ったようでジンジンと痛む。
『…まじかよ、このあとサッカーもあんのに…』
けど、ジンジンと足の痛みは消えない。
これもしかして、捻挫か…?なんて思いながらも、
サッカーも人数ギリギリだから、俺が出ないと試合すら出来ない。
そう思って痛みを我慢してサッカーの試合に臨もうとした時、
『あ、あのっ…』
声をかけてきてくれたのが汐音だった。
『……何?』
汐音に話しかけられて嬉しい反面、
俺は素っ気ない態度をとってしまった。