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あれから私は奏汰くんと話していない。
突然過ぎてびっくりしたかな。
でもこのくらいしなきゃ、ほんとに君が遠くに行っちゃうときポロッと私は口に出してしまいそうで。
ごめんね、自分勝手なやつで。
こんな私でごめんね。
「しーほーーー」
「まふゆ、どうしたのー?」
私がちょうど校舎を出て帰ろうとしてたら、友達で親友のまふゆが話しかけてきた。
「最近詩穂元気なくない?大丈夫なの?」
「ーっえ?そ、そうかなー?そんなことないよ」
だって自分で選んだことだ。
自分でもう話さないって、奏汰くんの迷惑にならないようにって決めたのに。
まふゆに元気ないって言われるなんて
どんだけだめなやつなんだ、私。
「そんなことあるからいってんの!……奏汰くん?」
図星をつかれた。やっぱりまふゆにはかなわななぁ。
「ちがうちがう!ちがうから!」
「詩穂、確かにさ、奏汰くんのこと考えての行動を詩穂は自分なりにしたと私は思ってるよ?でもね、いきなり避けられてどう思う?なんでって思うでしょ。なにかしたかなって。詩穂がもし、同じようなことを奏汰くんにされたら?」
「同じこと…?奏汰くんに…?」
「うん、そう。」
「絶対やだ…っ」
「でしょ?だからせめて理由くらいは言わなきゃ。相手には伝わらないよ?」
「そう、そっか、そうだよね。ごめんねまふゆ。ありがとう。」