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この会話が彼、「柿崎夏輝」との初めての会話だった。










それからというもの夏輝はよく私に絡みに来るようになった。





何がしたいのか全く読めないやつだと思った。




彼の考えていることは私のこのちっちゃくて、
空っぽな頭では到底理解なんて出来ない。










私が中庭で友達と一緒に昼食を食べていると、



「あっ!美琴さーん!」



っていってわざわざ自分の教室から身を乗り出して私に話しかけてくる。




(はぁ、またか)



「なにー?」




「お昼ですかー?」




「そうだけど、ってか見れば昼食ってわかるよね!?それわざわざ教室から身乗り出していうことーー!?」



私は4階にある教室を見上げながら彼からでも聞こえるような大きな声で言う。




「だって美琴さんなんだかんだ言って返してくれるんだもん。だからいーじゃん」



何がいーんだよ。意味不明。




「それはあんたが話しかけてくるからでしょーが!昼食くらいゆっくり食わせろーー!」



「えー、どうしよっかなー」



こいつ絶対楽しんでるだろ。もう無視決め込もう。それがいい。




「…………………。」




「あれ、美琴さん無視ーー?ひどいなー」




………っ腹立つ!ほんと腹立つ!!



ってかなんでいっつも私にちょっかいかけてくるわけ!!



「うるっさいな!あんたも大人しく昼飯食べろ!!私に構うな!!」




「……ちぇっ。」






















こういった彼の行動派は私の昼食の時だけではない。



授業中も、休み時間も、部活の時なんてなおさら。









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