33322
「まじ!?だべーそれ俺のお気に入り!早乙女さんに読んで欲しかったんだよね!早乙女さんならこういうやつ好きかなって思ってさ」
私なんかのことを考えてくれたんだ。
「そうなの?へへっ、嬉しいな」
「…っ、」
「?どうしたの、奏汰くん」
「あっ、の、俺だけ名前で呼ばれてるのなんか変だし、俺も早乙女さんのこと名前で呼んでもいい?」
ちょっと片言になりながら君はそういった。
「え、うん全然いいよ!むしろ私が勝手に名前で呼んじゃっててごめんね!」
「なんで謝るの。別にいいよ、早乙女さんだし。」
(うわぁ、なんだこれ、すごくうれしい…)
「あっ、名前で呼んでもいいっていったのにまた苗字呼んでた」
あははって無邪気に笑ってそう言う君。
なんだか可笑しくって、
私も君につられて笑う。
「じゃあ、詩穂…ちゃん。」
「めんどくさいなら詩穂でもいいよ」
「じゃあ詩穂!」
「はい!」