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「まじ!?だべーそれ俺のお気に入り!早乙女さんに読んで欲しかったんだよね!早乙女さんならこういうやつ好きかなって思ってさ」



私なんかのことを考えてくれたんだ。




「そうなの?へへっ、嬉しいな」



「…っ、」




「?どうしたの、奏汰くん」





「あっ、の、俺だけ名前で呼ばれてるのなんか変だし、俺も早乙女さんのこと名前で呼んでもいい?」




ちょっと片言になりながら君はそういった。




「え、うん全然いいよ!むしろ私が勝手に名前で呼んじゃっててごめんね!」



「なんで謝るの。別にいいよ、早乙女さんだし。」



(うわぁ、なんだこれ、すごくうれしい…)



「あっ、名前で呼んでもいいっていったのにまた苗字呼んでた」



あははって無邪気に笑ってそう言う君。



なんだか可笑しくって、


私も君につられて笑う。




「じゃあ、詩穂…ちゃん。」




「めんどくさいなら詩穂でもいいよ」




「じゃあ詩穂!」



「はい!」
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