女子高生の私と不機嫌な若頭

涼介のココロ

「気にするな」


そう言ってくれる
まっすぐ前を見たまま……


『私ね…、母親をいなくなってから私のためには誰かが何かをしてくれるって無かった……父はどちらかというと、私の事を厄介者って思っていたから…』


『私のために怒ったり、喜んだり……私が熱を出しても見向きもしなかった……だから、嬉しかった』


私が幸せだったのは
母と父がまだ仲良くて
私がまだ幼かった頃だけ

その思い出もなんとなく覚えているだけ



「……俺がする」


突然言い出した涼介さん
えっ？……する？何を？


わからず涼介さんを見る


「俺が怒ったり喜んだり……看病もする」


まさか涼介さんがそんなこと言ってくれるとは思わなかった