女子高生の私と不機嫌な若頭
『な……なんで?』
そんなことされる覚えがない
なによりも
こうやって、涼介さんの隣に座っていることさえ普通に考えたらおかしい
「……ダメか?」
いや………ダメとかじゃなくて
そんなこと言われたら期待するし
もしかしたら……
本気になっちゃうかもしれない
いろんな事があって
涼介さんのこと、好きかもしれないって思ったりしていた
けど、落ち着いて考えたら
よくわからない自分もいた
まっすぐ前を見て車を走らせる涼介さん
『なんていうか……ダメとかじゃなくて』
私が話そうとすると車は停まった
「降りろ」
そう言って涼介さんは車から降りてしまった
家に着いたのかと思えば
街中のパーキングだった