女子高生の私と不機嫌な若頭
「え?そうなの?……けどダメよ。涼介くんが杏奈ちゃんを連れて歩いただけで、涼介くんの女ってなるの」
連れて歩いただけで?
『歩いたってパーキングからここまでですよ?誰にも会ってません』
「車に乗ったでしょ?涼介くんの運転で……完全なプライベートだもの」
そんな話をしていたら
涼介さんが戻ってきた
女将はマズイと思ったのか
そそくさ逃げるように帰っていった
「行くぞ」
そう言って涼介さんは行ってしまう
え?もう?
私は慌てて残りのコーヒーを飲み干し
涼介さんのあとを追った
お店を出ると、涼介さんは待っていてくれた
そしてまた歩き出す
どこへ行くんだろう…
パーキングではない、街へ向かってる。