女子高生の私と不機嫌な若頭
『え、あ、涼介さん』
涼介さんは何も言わず
そのまま歩き出した
『待ってください!』
そう言って待ってくれるわけじゃない
何を言ってもダメなのか…
けど…どうして?
どうして、私に優しくしてくれるの?
周りの人達は、良いこというけど
涼介さんからは何も言われていない…
涼介さんはパーキングへ向かっていた
私も……少し離れて歩いていた
パーキングへ着き車に乗り込む
時計を見れば、もう6時を過ぎていた
さすがにもう帰るだろうと思っていたけど、車は家と逆の方向へ走り出した
どこ行くの?
そんなこと聞いても答えてくれないだろうと思い、私は景色をずっと見ていた