女子高生の私と不機嫌な若頭
その時、ドアを叩く音がした
「三宅です……若、大丈夫ですか?」
壁を壊した音、怒鳴り声が筒抜けだった
熱くなりすぎて、ここが岸谷家だと
すっかり忘れていた
「あぁ、問題ない」
「……三宅、少し杏奈と外に出る」
「わかりました。若の車を用意します」
そう言って三宅さんの、足音が徐々に遠くなっていった
「……外で話そう」
そう言って、涼介さんは着替え始めた
だから私も、着替える
っと言っても、お互いラフな格好
涼介さんと静かに玄関へ向かうと
三宅さんが待っていてくれた
「気をつけてくださいね」
三宅さんに頭を下げ
私と涼介さんは外へ出た