女子高生の私と不機嫌な若頭


鮫島っていうお客さんなんていない


「鮫島様、息子さんはここには来ていませんよ?どちらかのお店と間違われているんじゃ無いですか?」


翔子さんが静かに話すと
鮫島さんはフンっと鼻で笑い

「あ……姐さんは知らなかったですかね、息子は宏だけじゃ無いんですわ…、あいつ……俊太郎は鮫島の名を使ってませんから。確か……高畑だったかな?まぁ、組とは関係ありませんので、可愛がってやってくださいな」


そう言って鮫島さんは席を立った


「鮫島様、お支払いは結構です。そのままお帰りいただいて構いません」


少し怒ってるようにも見える翔子さん
鮫島さんは笑いながらお店を出て行った


その日を境に全てが少しずつ変わっていった
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