女子高生の私と不機嫌な若頭


涼介さんが帰ってきたのは夜中
涼介さんがいないと眠れない



『…お帰りなさい』


「寝てろって言っただろ?」


そう言いながらも私を抱きしめてくれる


『……ひとりじゃ…眠れなくて』


「ふっ……なら、もう眠れるな」


そう言って私にキスをする
おやすみって言いたかった
最後の……おやすみを……


けど涼介さんに言えないまま眠りについた




いつもの朝
いつもの光景
何も変わらない……


変わるのは……今日からの私だけ


『今日は友達と久しぶりに学食行こうって話になってるんです』


『帰りに必要ないもの、リサイクル屋さんに出してきます』


大丈夫……怪しまれていない
大丈夫……家を出れば問題ない
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