女子高生の私と不機嫌な若頭


翔子さんがさすってくれる手が
子供をあやすようにトントンと変わっていた



『……私の母は、私が幼い頃に出て行きました……雄哉は、その後再婚した相手と父の間に出来た子供です』


翔子さんは相づちをしてくれる


『雄哉の母親も……半年前に出て行きました……』


「そう……お父様は?」


『……半年前に仕事を辞めたようで……毎日家にいます……たまに女を連れ込んでて……だから…』



「そっか……だから帰れなかったのね。生活費はどうしてるの?」


翔子さんの問いに私は首を振った
前にもらったお金は、あと数枚。


「だから、こんなに痩せてるのね」
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