女子高生の私と不機嫌な若頭


私がわからないでいると
私の手を労わるように撫でる手が止まる


「帰ったら、翔子に綺麗にしてもらいなさい。女の子だから痕が残ったら大変だよ」


痕?
そう言われて気がついた
私の手首には痣のようなものがある

……これ、繋がれていたから
全く気がつかなかった……

足首にも……ってことは
首にもあるんじゃないかと
首に手を触れた


「大丈夫、俺がやるから」


そう言って私を引き寄せた
工藤会長は笑っていた


「お前の嫉妬はここまで来たかっ」


そう言いだすのは工藤会長と一緒に来た若い男性……え!この声って…


『……真也さん?』


そう言うと、サングラスを外して
私に顔を見せてくれた


「杏奈ちゃん、久しぶりだね」


そう笑ってくれた真也さん
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