女子高生の私と不機嫌な若頭


まともに食事をしていない、
まともに寝ていない
だから言われてもしかたがない……


「あとね………、ちょっと炎症起こしてるから薬を出しておくよ。それと、妊娠の問題はないから安心して」


炎症?
……多分、毎日痛かったのは
そのせいなんだろう。



「帰ろう」


涼介さんは手を差し伸べてくれ
私はその手を取り
私達は岸谷家へ帰った



帰ると、翔子さんが迎えてくれた
私を抱きしめてくれて
泣いてくれて……

涼介さんのお父さんの組長さん
岸谷の組員さんも、出迎えてくれて

雄哉は……涙いっぱいためて
私に抱きついてきた


私は……勘違いをしていたみたい
他人だと思っていたのは私だけ

ここは、私の家なんだ


『ただいま……』


やっと、迷いなく言えた気がした
< 269 / 314 >

この作品をシェア

pagetop