女子高生の私と不機嫌な若頭


『いいですよ。その代わり、私から一つお願いがあります』



私のお願いを伝えると
涼介さんは了承してくれた


「そんなこと、容易い」


『あっ……涼介さん、これバレンタインなので作ってみました』


そう言ってラッピングされているチョコを渡した


涼介さんは固まっている


『……涼介さん?』



「……あ。悪い。こういうの貰ったことなかったから。開けていいか?」


『どうぞ』


涼介さんはラッピングを開け
中を確認すると私の顔を見た


「……マジ嬉しい」


『ふふふっ……ちゃんと食べてくださいね。じゃないと……浮気しますから』


どうしようか、考えたの。
何を作ろうか……


私が作ったのはチョコレートケーキ
そして、チョコペンでメッセージを書いた


『岸谷杏奈になりたい』


私からもプロポーズをしようとしていた
以心伝心だったことに
二人で笑ってしまった
< 288 / 314 >

この作品をシェア

pagetop