女子高生の私と不機嫌な若頭


「……櫻井杏奈……さん」


不良達が私の前に立つ
……何?……私?


「涼介さんが待ってるから早く」


へ?何?もしかして……

『もしかして、涼介さんに呼んでこいって言われたの?』


「いや、俺らが呼んできますって言った……んです」


彼らはなぜか語尾を敬語になっていた
多分……涼介さんだろう


『ごめんなさい、わざわざありがとうございます。早く行かないと怒られちゃうね、行こう』


そういって歩き出せば
なぜか沙耶も付いてくる


「紹介してね」


沙耶は涼介さんを見たいらしい
沙耶には別の高校に彼氏がいる


『彼に怒られるわよ』


「ん?大丈夫。あいつも涼介さんのファンだから。」


涼介さんにファンがいるんだと
初めて知って苦笑いしちゃう
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